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アメリカと比べ保守的なドイツの不動産投資

2011.11.18

REITとの大きな違いは、その流通市場と換金方法です。ドイツには、アメリカのような証券の流通市場はありませんので、時価でいつでも換金できるほどの流通性が備わっているとはいえません。しかし、流通市場に代わって証券の発行会社、および証券の寄託銀行がいつでも買い取ってくれるシステムになっています。この証券の発行会社および寄託銀行は、たいがいが大銀行の関連会社で信用も厚く、これらが定期的に買い取り基準価格を発表することで流通機能の代わりを果たしている格好です。

[参考]
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もちろん、不動産投資とはいえファンドですから、管轄はドイツの銀行監督局になりますし、持分証券発行時には、REITが上場するときに匹敵するぐらい厳しい監査を受けることになります。ドイツ銀行法の規制に加え、投資の最低単位数、規模、借入金、情報開示および報告義務について厳格な規制が盛り込まれています。このようにドイツの不動産投資市場は、銀行の信用で成り立っている側面が強いのです。したがって、銀行の信用さえ保つことができれば市場に対する信頼が揺らぐことはありません。そのかわり投資家が得られる収益は、銀行預金の感覚に近い元本プラス金利しかありません。すべてを時価で律するアメリカの投資市場と比べて、投資金額が倍に値上がりすることがない一方で、投資に失敗して元本が半分になることもない点でドイツの不動産投資は保守的といえます。しかし、それは投資の基本になる部分、すなわち流通性や換金性、投資収益性を犠牲にしているわけではなく、むしろドイツ流のやり方できちんとこなしているのです。日本流の不動産投資には、ここまで一貫した市場の支えがあったでしょうか。ドイツもアメリカも、その国なりの特徴を生かした証券化を実践しています。日本に必要とされるのは、単にどちらかの国の物まねをするのではなく、日本独自の不動産投資市場の哲学を確立することなのです。外圧に惑わされることなく、ここはじっくりと議論を重ねるべきです。